大学院へ進撃!のテクニシャン

うちで、すでに2年ほど働いているテクニシャンのY。すばらしい才能の持ち主で応援していたのだが、今年大学院に次々と合格。それもすべてトップスクールという快挙で、今年の夏にラボを出ることになった。彼女は、これまでも、数々のプロジェクトに多大な貢献をしており、共著論文がすでに一報、今年中にあと2つくらい出る予定なので、大学院に入る前に、かなり論文がでることになる。これだけ貢献している人が出て行ってしまうのはもちろん痛いところではあるが、優秀であるほど、早くラボを出て行くのが世の中の常。彼女が無事に大学院にいけたことは、本当にうれしい。今後もがんばって一流の研究者になることを祈ろう。

最近は、大学院も競争率が高いようで、1−2年、ラボでテクニシャンとして働いた経験があることを求めるところも多いようだ。アメリカの大学は、4年生になってもとらなければならないコースが無茶苦茶多かったりして、研究実績を積むのも夏休み以外は難しいようだし。ポスドクも2回やるのがスタンダードになり、だんだん研究者になるための道筋が長くなっているが、これでいいのかなあ。NIHのグラントが増えなくなって、つまりラボの数も頭打ちとなり、PIになれる人の数もラボの卒業生のうち平均一人、ということになったのが1つの原因かもしれない。際限なくラボ(および予算)を増やせるわけではないから、いつかはこういうことになる。だんだん学生たちも、PIになれる確率が低いことに気がつきつつあり、優秀な人材が大学院にあまり来なくなる時代がくるかもしれないなあ。