新PhD院生

Duke大学の神経科学科は、今年も18人の学生にオファーをだした。だいたい10人がそれをアクセプトして院生となる。ファカルティの数が21人だから、研究室に学生が来ない年もあることになる。

Dukeの大学院では、院生全員が、学費および生活費のフルサポートを受けることになっているから、それだけの投資に見合うの実力がある人を時間をかけて選ぶ。ちなみに、フルサポートをする、というのはDukeの1つの売りであるようだ。入学には、GREのスコア(Verbal, quantitativeの合計が1400以上くらい)、大学時代の成績がよい(GPA 3.6以上くらい)のは前提。その上に、学部生時代の研究暦があり、そのスーパーバイザーからよい推薦状(トップ5%以内と書かれていないと難しい)が必要である。最後に、1対1の面接で資質を見極めようとする。ということで、なかなかの難関であり、特に外国人の学生は、入るだけでも大変であろう。その後の進路をみると、かなりの確率で研究者になり、30−50%くらいの人がファカルティになるという数字は全米でもトップクラスかな。うちのラボで、学部生としては信じられないような活躍をしたS君も、どうやら採用された、ということで、アドバイザーとしても、ほっと一息である。

研究室は、比較的自由に代わることができる。彼らに向いている研究室を見つけられるまで、いくつかのラボで短期の研究をすることになる。だいたい2−3年生までには、ラボをきめて、それから3年間はしっかりと研究をしてドクター論文、ということになるが、毎年のようにラボを変えてしまう学生もいたりする。もちろん、望んだ働きをしなければ、PIが学生をラボから追い出さざるを得ないケースもある。

私が雇った学生は、二人ともがんばっている。そのうち一人はもう1年近くになるし、Preproposalの季節が近づいてきている。大学院生の指導は、通常Committee member4−5人のファカルティで行う。これは、日本とずいぶん違う制度なので、私もかなりおどろいた。半年に一回、その学生のために会議があるからして、あまり失敗しにくいようにはなっている。ずいぶん手厚いサポートである。学生のMくんが、「ポスドクの場合は、プロジェクトが間違った方向にいったら」どうするのだろう、といっていたが、「PhDをとった人は、それらをすべて一人で乗り切れるものと考えられている」と答えたら、かなり不安そうな顔をしていた。なんと弱気な。まあ、君は大丈夫だよ。

とまあ、大学院生にはずいぶん多大な投資がなされるわけだ。お金は、研究費経由で税金からでているわけだが。。。