大学院生リクルート

今年の神経学科の大学院生のインタビューは、学生一人一人にかなり長い時間を使う。それぞれの学生がばらばらに来て、3−4つくらいのラボに行き、PIと面接をする。一人あたり1時間以上面接する時間がある。これによって、より学生にDukeを理解してもらおう、というわけである。どの学生も書類専攻を通った時点で最優秀の人たちだ。たいていは、オールAに近い成績をとり、GREを数学はもちろん満点、英語は600点くらいはとっている*1。もちろん、ラボの経験がなければいけない。学会発表くらいはしている人も多いが、論文があればすばらしい。メディカルスクールで全額の授業料+年間の生活費2-3万ドル近くを面倒みるのだから、学校にとってもそれなりの投資であり真剣に選ぶことになる。

ということで、面接はかなり濃いものになる。きちんとラボでやってきたことを理解している必要があるし、PIともサイエンティフィックにきちんとした議論ができなければいけない。1時間も会話してれば、だいたいどれくらいの実力かはわかる。ちなみに私が学生のときにこのテストをパスできた自信は全くない。毎年10-20人くらいの学生がこの闘いに勝ち抜いてオファーをもらう。残念ながら、こうした人たちはたいていは複数の大学からオファーをもらい、結局毎年5-10人しか来ない*2

このオファーをだしても来てくれない、というところは大問題で、かなり議論された末に、もっとラボの様子を見せて、学生生活を実感してもらおうということになったわけである。正直いって、ダーラムは、ボストンやサンフランシスコとくらべてエキサイティングなところではない。しかし、サイエンスをやるにはすばらしいところ。学生の給料でも家が買えてしまうのも、まあ多少よいこともあるかな?

ところで日本の大学院も(ドクターコースね)、やたらめったら学生を増やさずに、きちんと給料もはらうくらいのつもりで選んでもよいかもしれない。そこまでしてトレーニングをしたい人を選ぶ。コースできちんとしたトレーニングをし、ラボでも自分で研究を率い英語の論文をきちんと書けるように育てて、ポスドクとして送り出す。それだけの人材なら企業からも引き手あまたな人材ができるんではないかなあ。と妄想。ポスドクの就職問題についての話ね。財源?えーと、やっぱり税金かなあ。

それで今まで3人ほど面接した、という話。結果については、もちろんここにはかけないので、。。。

*1:どうでもよいが英語のGREは、日本人にとって滅茶苦茶難しい。トーフルの旧点数換算で650点近くとれるひいこも、GREはまるでお手上げというほど難しい。外国人が600点以上とってるのをみるとかなり感動する。

*2:デパートメントのファカルティの数は24人。