NIHグラント

ScienceにNIHのグラントについての投稿がある。長い歴史をもつ、RO1アプリケーションは、世界でももっとも書くのに時間がかかり、レビューにも時間がかかるシステムだ。25ページにぎっしり書かれた研究計画に足して付記をいくらつけてもよい、というスタイルで、9ヵ月かけて専門家によって徹底的に審査される。アメリカのサイエンスを支えているのは、この審査システムだ。最近では、10%くらいのアプリケーションが審査を通って研究費がおりることになる。

しかし、このようなシステムは、現状の科学の早いテンポにあっていないのであろうか、ということらしい。一度審査が却下されると、すでにグラントに書いたことは古い内容だ。確かに9ヵ月というのはあまりに長い気はする。で、審査期間を短くし、現状よりもチャレンジングな内容の申請書を書けるシステムにしようという試みがなされているよう。これは正しい方向だろう。NIHの申請書というと、ほとんど論文を書けるだけの内容を実はもっていて、知っている内容を研究計画として書く、というストラテジーをとっている人がほとんどなのだが、これはあまり健全な感じがしない。

リンク
http://www.sciencemag.org/cgi/reprint/311/5757/41.pdf