さわやかに顕微鏡つくり再開

グラントを出し終えて、さわやかな気分で、また顕微鏡を組む作業にもどる。今日は走査顕微鏡の心臓部ともいえるスキャナーの周辺を作り終えることを目標にする。スキャナーは、小さい鏡を電流によって回転する電流計みたいなもの(ガルバノメーター)につけたもの。電流を制御して鏡をすばやく動かして、顕微鏡のフォーカスの場所を変えることができる。

まずはこのガルバノメーターのサーボドライバを動かすのに必要な安定化電源を組む。 +/-28Vが必要という、変な構成で、普通の電圧可変式の電圧サプライでは動かないらしい。ということで、Digi-keyで28V固定4Aまでいけるやつを買う。これは結構重い。これを2つ直列につなげてフューズをつけて、できあがり。箱にはいっていない裸の電源なので、明日は箱の工作をしなければならない。まちがえて触ったりしたら危険だしね。次はスキャナーのサーボドライバー用のケーブルコネクターを作る。あとはBNCとつなげられるようにすればできあがり。あしたまでにはスキャナー動くかな?

顕微鏡ができなければ、ラボにきている学生のローテーションのプロジェクトが始まらない。彼女にはクローニングやカルチャーなどのセットアップをしてもらっているが、はやく何かみたくて仕方がないところであろう。がんばってさっさと組み上げたいところだ。彼女のほうも、とりあえずはHEK細胞を飼うことに成功し、GFPとrasのfusion蛋白のDNAを細胞に導入することに成功。学科のコンフォーカル顕微鏡でカルチャーした細胞をみていた。ほほう、結構おもしろいじゃん。まじめにやれば結構これだけでもローテーションの発表としてはまずまずかもしれない。で、結局これが、うちのラボの最初のデーターということになったわけだ。神経のほうは、当分先になりそうだ。次はNeuroblastomaの細胞でも飼ってみようか、ということになった。うわさでは、飼うのもDNA導入も簡単らしいし、挙動もかなり神経に近いはずだ。試験運転にはちょうどよいかもしれない。テクニシャンがスライスカルチャーのテクニックを会得するまではこういうのでデーターをとってもらうしかない。