UNCでトーク

今日は前マイクエーラーズのところで知り合いになり、情報交換でもしよう、と約束していたUNCのベンフィルポット(http://www.med.unc.edu/physiolo/fac_philpot.htm)のところにUnofficialなトークにった。最新のRasの話も含めて、カルシウムシグナリングの話をする。本当に最新の内容も紹介したかったので、今朝、スライドをかなり追加してトークにのぞむ。まあ質問の内容から判断するに、みんな内容を楽しんだのではないだろうか。トークの後は共同研究の可能性も含めて「Top of the Hill」という地ビールの店で「飲み会セッション」。日本人の学生も二人加わって、楽しい飲み会だった。印象に残ったのは、彼がマイクから授かったという若いファカルティに最も重要なこと:Noということを覚えよ。Noというとその場の雰囲気が多少わるくなるかもしれないが、Yesというとその後ずーっと長く問題になる。(親になれるね、とだれかが茶々をいれていたのもおもしろかった)。

それにしても、ほんとに田舎にもかかわらず、これだけ近くにDuke,UNCとアメリカでもトップクラスの大学があってそれぞれに神経生物センターがあるとは驚異的だ。人口に対する博士の割合が異常に高いことでも有名なチャペルヒルであるが、やっぱり学問の町なんだなあ。

ところでRasの話、最近論文を書いていることもあって、かなり真剣にいろいろ考えているわけだが、実は最初に思っていたよりも重要な話なのではないか、と思い始めた。カルシウムは、LTP,LTDをはじめ、いくつもの信号伝達のPathwayにつながっている。なんで1つのメッセンジャーが、それもDiffusibleなものがこんなに沢山のシグナリングをコントロールできるのか、というのはニューロサイエンスの重大な問題だ。少なくとも個人的にはものすごく興味がある。これに関して、今回の結果は1つの筋道を示しているような気がしてきたのだ。しかも、理論はかなり数学的に構築できる気がする。。これはもうちょっと考えて見なければならないのだが。今のところ、まだ仮説がぼんやりと見えてきた、というところであり、よりきちんとした仮説を作りつつ、どのように証明できるのか少しずつ考えていくとしよう。ネットワーク理論も少し勉強する必要がありそうだ。