論文ゲーム。

最近出た学会である人から聞いた話。なるほどと。椅子の数(でも予算でもいいけど)がもう増えないと決まっている場合、このゲームではだれかが椅子を得れば、だれかが退場することになる。こういう状況では、他人の成功はそのまま自分の失敗の確率を高めることになる。こう考えれば、匿名での論文審査は公正では難しいのではないかと。極端な話、レビューする人は常に自分の競争相手、ということである。

本当の問題は、研究者の評価および予算の獲得が論文の質ではなくて、論文がでている雑誌の名前によってしまうほうだけれど。。。自分の論文を有名雑誌に載せる、というインセンティブはそこから来る。逆に上記理論によれば、レビューワーには、それを阻止するようなインセンティブが働くことになる。それが、時に理不尽で不毛と思われるようなレビューなったりする可能性はあるのかもしれない。一部で、論文が通ったあとに、レビューワーを公開するような雑誌があるが、素晴らしいレビューになりやすい、といっていた。

昔ある雑誌のエディターが、意外と仲のよいサイエンティスト同士が厳しい審査をする、という内容とも一致していたりして。。。私も論文の審査をするときに、もちろん、常に建設的で論文をよくするようなレビューレポートを書くうに心がけてはいるが、無意識のうちに厳しさを調整していたりすることがないようにしなければ、と思ったりして。。