スコアの新システム

今回のNIHの景気刺激グラントは申し込みが殺到して、審査が大変なことになっている模様である。幸い(?)なことに私はまだ審査を頼まれていない。最近、あるお客さんを食事に連れて行ったときに、そこに同席したRadiologyの人が、備品用のグラントのスコアが来たといっていた。聞いてみたところ、スコアシステムがこれまでのPiority Score (100点が最高、500点が最低)ではなくて、よくわからないが彼の点数は10点だったそうで、それはどうやら満点のようだとか。こういうのって、満点ってありえるのか、何点から何点のシステムなのかなど、いろいろ質問をしてみたが、彼自身よくわからない模様。1点から10点の10点満点といっていた気がするが、ちょっとお酒も入っていたのでよく覚えていない。その昔、旧システムのPriority scoreで90点台がついた人がいて、その理由は、「これ以上のアプリケーションはありえないから、考えられる最高点を与えよう」ということだった、とかいう話もあるらしいが、それにしても満点とは。。。

ということで、ちょっと新システムをしらべてみた(http://grants.nih.gov/grants/peer/reviewer_guidelines.htm)。新しいシステムでは、Significance、Investigator(s)、Innovation、Approach、Environmentが評価され、それぞれ点数化されるが、昔のシステムのように1.2とか1.6みたいに小数で表すわけではないようで、各レビューワーが1点から9点までの評価をし、最後に平均したのちに10倍するらしい。ということで、10点が満点は正しいが、どうやら10点から90点までのシステムの模様。小数はなく、平均が1.34なら13点なのだそうだ。こうしてみると10点というのは異常な点数だなあ。景気刺激グラントだけシステムが違うのかなあ?

ちなみに、審査のまとめも、これまでのように文章で書くのではなく、箇条書きになるんだとか。上のページには、ご親切にレビューワーのためにテンプレートまであったりする。

Strengths

  • High potential impact in clinically important area of safe blood transfusion.
  • Highly qualified investigators with complementary expertise ensure likely success.
  • Novel application of incident reporting methods now in use in other fields could lead to improved public confidence in blood supply.
  • The study will bring a rigourous, systematic approach to the current error reporting process, which is empiric and lacking in evaluation.

Weaknesses

  • Lack of representation of non-academic transfusion medicine practitioners may make incident reporting less effective in non-academic hospital setting.
  • Not enough time is allotted for aim one work and aims two and three too dependent on success of aim one work lessens confidence that work can be successfully completed.

ふーむ、なぜこうしたのか、というところがいまいちわからないが、テンプレートがあるのは、レビューワーにとってはありがたいかもしれないかな。