ティラノ、バイオリン発表会

ティラノの教師であるヨラムの弟子は、よいバイオリニストが沢山いる。今回はティラノが先鋒だった。フィオッコのアレグロで、私が伴奏。その後は、プロ(っぽい)伴奏者とその他の弟子の演奏であったが、なかなか聞き応えのある発表会であった。トリを務めた人は、シベリウスのコンチェルトで、以前よりもはるかに上手になっていた。難しいパッセージでも音があまりぶれず、なかなかの演奏であった。伴奏者のピアニストもすばらしかった。シベリウスの伴奏は難しい編曲であったが、伴奏者はこれを苦もなく弾くだけでなく、フルオーケストラにも匹敵するようなすごいダイナミックレンジで、観客の度肝をぬくような演奏であった。これを聞いて、ピアノの本当の音は久しく聴いていなかったな、ということに気づいたのである。チェンバロを弾く前は、わたしもかなりピアノを鳴らせたほうだったと思うが、そのような弾き方は今はすっかりわすれてしまっていたよ、と思い至った。