ナノメーターの分解能を光で!

ちょっと前から話題になっていた話、論文になったようだ。こういう話ができたらい〜な〜とは思っていたのだが。。。(Science)
Imaging Intracellular Fluorescent Proteins at Nanometer Resolution
Eric Betzig et al.

方法は簡単で、Photoactivatableな蛍光たんぱく質を弱く励起して、たまに一分子が励起されるような条件にする。そんで、一分子の位置をナノメータで決定して、その後、その分子は退色させてしまう。あとは、これを何回もくりかえせば最後には全部のたんぱく質の位置を決められる、というわけ。電顕なみの分解能を約束するものである。

ファーストオーさーのBetzigさんは、昔近接場光で高分解能イメージングで話題をさらったこともある人だ。しばらくサイエンスをはなれていたようだが、ハワードヒューズのジャネリアファームで復活。早速すごい論文を書いてきた。いまのところ一枚の絵をとるのに数時間だから、応用は固定したサンプルに限られているが、それでも電顕と違う応用があるであろう。なんといっても蛍光色素がマーカーとして使えるのは大きい。いろいろなサンプルをクライオセクショニングしてどんどん画像化するだけで、いろいろな知見が得られそうである。そういう共同研究の話もやまほどきているんだろうが。。。

Stefen Hellの話もあわせて、この超高分解能顕微鏡の開発は、いよいよ生物に応用できるところまできたようだ。次の競争はもちろん、リアルタイムでナノメータ領域をみることであろうが、これはそう簡単ではないだろう。