熱いカレル

カレルから、ラボの将来についてのアナウンスがある、というメールがまわっ たので、みんな心してミーティングにのぞむ。カレルの口から告げられた最終 的なラボの行き先は、意外な場所だった。

これまでの憶測では、暖かいシティライフの好きな奥さんの意向もあってカル フォリニアなんではないか、と思われていたのだが、行き先はなんと前にも紹 介したジャネリアファーム。 まわりになにもない、バージニアの畑の真中だった。ワシントンに車で一時間 ほどで出れるということなので、まあコールドスプリングハーバーとにたよう なものかもしれない。2006年ごろから移り始める予定らしい。やっぱり田舎ラ イフということで、多くのラボのポスドクの反応は、そんなところ行きたくな い、というもの。働きもののTakashiさんは喜んでるみたい。

ジャネリアファームは、基本的に若い研究者がグラントの心配なく研究する場 を与えるもの。新しい神経機能のイメージングの開発にフォーカスした研究所 になるようだ。無制限の予算が使える上、研究所の半分はファシリティになっ ている。ファシリティは、クローニングやマウスの遺伝子操作、装置作り、電 子回路作りなどを専門にやる人達がいて、これらのことを研究者がやる必要は ない。天国のような環境だ。1つのラボは2-6人、と比較的小さいラボを運営す るようデザインされている。うーん、タイミングが許せば、この研究所に行き たかったかな? カレルがものすごく奨めていたのでオファーがもらえた可能性 は高かったのだが。

さて、デザインされているラボサイズからわかるように、カレルはラボを縮小 して、自分も実験に参加したい意向なのだ。現在のプロジェクトと違うプロジェ クトを立ち上げるつもりらしい。もう、グラント書き、推薦状書き(大きいラ ボでは、これは本当に大変な仕事らしい)、アドミニストレーションに追われ てサイエンスができない状態に嫌気がさしたようだ。大学にいったら、これに Teachingもついてくるわけで、ますますサイエンスに割く時間が減ってしまう。

「おれはまだ38才。まだまだサイエンスがやりたいんだよ」 だってさ。かっこいいねえ。Takashiさんは感動していた。