Brain enhancement


Brain wave
で、またしても脳力ドーピングの話題だ。セラピーとenhancementとの境界はどこか、という議論。もうすでに健康な脳のパフォーマンスを、さらにアップさせる薬があるのは、前にも書いたとおり。この薬を処方することに関しての、倫理的な問題は、よく議論させるべきだろう。筋力ドーピングの歴史は、もしかしたらよいモデルケースになるかもしれない。脳力のほうは、筋力よりもさらに人間の欲望に近いところにあるので、問題が大きくなりそうだ。「もし自分がXXXだったらなあー」、のXXXを埋めてください、というアンケートでも、「頭がよかったら」という答えが一番多いそうだし。

これに関連して、ちょっと前に、Gray matter というSF小説(日本語訳はでてるのかな?そもそも売れてない小説かも)を読んだ。裕福な家に生まれた、美しいがややretardedな少年の話し。両親は、法外な値段と引き換えに少年を超天才に変える、未発表の治療を行うことを決心する。しかし、天才になるための代償は、その巨額な金額だけはないことを、彼らは知らなかった。さて、彼らの運命は。。というような話し。ネタばれになるから、これ以上書かないが。この小説には、人間の、知力に対する欲望に関して細かく表現されていて、興味深く読めた。この手の問題はSFだけの話しではなくなりつつあるわけだが。