Getting Funded

アメリカのポスドクにとって、自分のフェローシップをとってくるのは、大変重要だ。ボスが払ってくれる給料よりも高い給料が支払われる事が多いし、ボスのグラントの増減に影響されることも少ない。また、自分でお金をとってくる能力というのは、academic positionを得るさいに、もっとも重視される事の1つである。基本的にアメリカの研究機関は、研究者がもらってくるグラントの何割かをまきあげて、それで運営してるのである。だから、グラントがとれる人が一番大事というわけだ。
 ここで問題になるのは、外国人が申し込めるfellowshipがあまりない、ということだ。HFSPのほかにはあまりみあたらない。NIHグラントはグリーンカードが必要だ。もちろん日本人なら海外学振もなかなかよい選択である。もっとも難しいケースは実はPhDをアメリカでとってアメリカでポスドクをやる外国人である。HFSPも学振も申し込めないのである。
 しかし、さがせばまだまだあるものである。新しく入ってきた非常に優秀な中国人ポスドク、Hainingは、schizophrenia&depression協会フェローシップに申し込むことにしたらしい。そして、基礎研究をやってる人にも実は結構チャンスがあるらしいのである。シナプスたんぱく質相互作用の研究なのだから、究極的にはどんな病気にも関係わけで、そんなものかもしれない。そういえば、CSHLの高橋さんも、Autism協会のフェローシップをとっていた。彼の研究もリセプターのトラフィッキングだから、直接病気と関係のある仕事をしてるわけではない。
 これの教訓は、とにかく申し込め、ということだ。アメリカの大学院ではグラント申請の書き方の講習もあって、みんなきちんとうけているようだ。そこで教わることも、基本的には、とにかくアプライできる、あらゆるところにアプライする、ということらしい。そもそも一度書き上げてしまえば、最初の出だしを適当にかえて、あちこちにだせるものらしい。もちろん、この教訓は、ラボをもってからのほうが、重要な意味を帯びてくるであろう。