2010問題

景気刺激パッケージが今後のNIHグラントに与える影響に関してNatureの記事で議論されている。チャレンジグラントは、大学も積極的にアプライするようにプロモートしたこともあって、空前のアプリケーションがあったようであり、通る確率1%程度とまで書かれている。通らなかったアプリケーションが「リサイクル」されて次の通常グラントに提出されることになれば、2010年の通常グラントは、おそらく大変通りにくいものとなるだろうという予想。システム的にも、NIHのグラントの供給システムもこのような急激な変化に対応するのは、大変なことのようだ。よいことがあったあとには、悪いこともあるものだ。

あと、前も書いたけれど、景気刺激グラントは2−3年で使い切ることを前提としているは、よくないだろう。基礎科学は基本的に国の援助なしに成り立たないわけだから、一回の刺激で業界が自律的に回り始めるということは多分ない。業界の大きさが、国からの援助で決まっている以上、2−3年後にこのグラント切れたときには、業界の大きさが再び元に戻ることになり、そのさいには大きな悪影響もあるかもしれない。2011年も多分難しい年になるだろう。