島氏日記、および、SvobodaのTrends. Neurosci.に関するコメント
光学顕微鏡で、蛍光ラベルしたNeuronのSpineの大きさのもとめかたは、大きく分けて2つある。

1. 輝度を用いる方法。Svoboda研で、昔から使われてる方法。もっともよく記述されてるのは、最近のEstehrのpaper(Nimchinsky et al. J.Neurosci.2004)であろうか。Spineがpsfより小さいとき、spineからの蛍光、Ispineは、excitation volumeの中で、スパインの占有する体積分の蛍光となる。PSFよりも大きな、例えばthick apical dendriteからの蛍光は、Ithick dendriteは、excitation volume全体からの蛍光となる。このため、両者の比はpsf volumeのうちspineがどれくらいを占有するかということを表す。 つまり、spineの体積Vは、次のように表される。

V = Vex Ispine/Ithick dendrite

利点:Readoutがspineの体積に対してリニアなので、PSFの0.1%から10%程度のspineにたいして、精度の高い測定が可能となる。

欠点:spine内部の色素とthick dendriteの色素の濃度は同じということに依存してる。Nimchinsky et al.の論文では、Spineの大きさの分布は電顕のものと同じであるとしてる。しかし、Sabatini et al.(2000, Nature) のほうでは、蛍光顕微鏡のもののほうがかなり小さくなってる。

2. 光学顕微鏡のボケの分を補正する。河西研(matsuzaki et al., 2001, Nat. Neurosci.) が用いてる方法では、スパインの画像プロファイルを直接使う。光学顕微鏡では、スパインの像は、ボけて、PSFとのconvolutionとなる。

conv (PSF, spine)

これを使って、イメージの中での直径と実際のspineの直径を関連付けることができる。

欠点は、PSF/2より小さいSpine(ほとんどのspine)では、精度が非常におちてしまうことである。というのは、SpineのProfileが、ほとんどPSFのものと一致してしまうためである。河西研では、これを解決するため、小さいSpineは、大きいSpineとの蛍光強度の比をとることによって、体積を求めてる。

V = Vlarge spine * Ismall spine/ / Ilarge spine