英語教育

日本でも、英語教育が小学校から始めるところが増えているそうだ。これはいくらなんでも無意味だろう。私の意見では、外国語の習得には早期教育の効果はあまりない。アメリカ人でさえ、英語の習得に15年近くかかるのだ。その意味で、大人は、アメリカにわたってから、たった数年で(注)大人としてのコミュニケーションができるわけで、よっぽど習得が早いともいえる。子供は、語彙が始めから少ないから、英語が年齢相応のレベルに達するのに時間がかからないだけだ。発音だけは、子供のときから喋っていないとなかなか難しいが、それでも高校くらいからアメリカに住んでると、Nativeでもアクセントがわからない、というレベルまでは到達できるようだから、小学生からやる意味などはほとんどないのであろう。それに、nativeみたいなアクセントの英語が喋れる事は、ほとんどの人には重要ではないし、日本でそれを教育するのは不可能だ。

ただし、大学などで本当に真剣に英語を勉強した場合。ポスドクで黙々と研究していても、あまり上達しないのは、私自身をみてもまあ明らかかな。

なんで大人は習得が早いのか? それは、出来上がってる概念を他の言葉で埋めて行く作業がスクラッチから作るよりもずっと簡単だ、ということがいえる。母国語が外国語の習得を助けてるのは明らかだ。この意味では、結局外国語の習得にも、母国語がきちんと出来ていることが最も重要なことのはず。人材的にも、子供のESL(English as Second Language)をできる人がそう何人もいるとは思えない。英語を、特に子供に、教えることは喋ることよりもずっと難しいし、アメリカでもESLは特別な資格だ。小学生のうちは、きちんと国語、漢字をやるのが現状ではもっともいいのではないだろうか。

[追記]
まあ、日本のほとんどの人は、中学、高校と6年以上は英語をやってるのだから、その積み重ねも大きいのかもしれない、ということで、上はやや極論かもしれぬ。

[追記2」
と思ったが、その日本の6年間で到達できるレベルは、小学生レベルなので、上記追記は撤回。私は受けたことはないが、TOEICの英語は、多分小学生レベルと言われていると思う。